Oxford Executive MBA 授業- module3 (インド module)

今回のOxford EMBA module3は必修の海外モジュールの一つ、インドモジュールです。インドのIT都市として有名なバンガロールで授業と企業訪問を。日曜日の午後からスタートして、金曜日に終了という流れで進んで行き、各日とも午前中に授業を行い、午後は企業訪問という組み合わせで行われました。Oxfrod EMBAではもう一つ必修の海外モジュールがあるのですが、それは翌年開講予定で、中国になります。

今回のメインテーマは新興市場について、ということだったので新興市場における国内企業の発展、海外企業の新興市場での戦略、社会的責任、起業家といった内容で、企業訪問も3-4の中から一つ選ぶ形になっているので、選択の幅があったのはよかったと思います。

私が企業訪問で訪れたのは、以下の4つの会社であり、それぞれテーマ設定の上での訪問となっていました。

  1. Wipro – Global Value Chain
  2. Toyota India – 海外大手の新興市場での進展
  3. TATA Power Solar – Corporate Social Responsibility & Creating Shared Value
  4. Global Talent Track – 社会起業家

この中で、特に興味深かったのがToyota Indiaでした。世界的な日本の車メーカーであるToyotaがどのようにインド市場でビジネスを発展させて来たのか、また日本企業の文化とインドの文化をどのように衝突を生まずに融合させてきたのか、という点に非常に興味があり、インドvisitの前から、このToyota Indiaについては楽しみにしていました。工場見学の際には、トヨタのかんばんシステムなどが運用されているところを見ることができ、インドにおいてもToyotaの基本精神が根付いている姿は非常に印象的でした。また、文化の違いによる苦労等についても質問が出たのですが、欧米とインドなどであれば、文化の違いという衝突も大きくなると思うが、日本とインドの間ではそれほど大きな差がなく、コンフリクトによる大きな苦労はなかったとのことでした。この点は、クラスメートから、さらに突っ込んだ質問がなされたのですが、時間的な制約もあり、上記のような表層的な回答で終わってしまったのは少し残念でした。

これ以外に、幾つかゲストスピーカーの方を招いての講演も行われたんのですが、最も印象に残ったのは、現在インドのE-commerceで最も大きなシェアを占めているFlipkartという会社の役員による講演でした。インドでは現在、E-commerce市場のトップがFlipkartで第2位がAmazon Indiaであり、主に上位3社で激しい戦いが繰り広げられています。Module期間中にも毎日関連ニュースが取り上げられるなど、インドで最もホットな市場の一つといえると思います。このE-commerceのインド市場は、今後大きく拡大していくことが予想されているため、競争がさらに激化すると見込まれています。ただし、ビジネスモデルについては、上位2社では大きく異なります。Flipkartはマーケットプレイスというビジネスモデルを採用しており自社で在庫を保有することを前提にしておらず、インターネットの市場を提供するという形になり、手数料がメイン収入になります。一方、Amazonはメインが在庫モデル(一部中古品などマーケットモデルを採用している部分もありますが)となっています。この違いは、日本でいう楽天市場とAmazonと似ているところがあり、Localの企業 vs 海外企業、マーケットプレイスモデル vs 在庫モデルと考えて比較しながら考えてみると興味深い論点かと思います。

また、現在市場の抱える問題点として、

  1. 運輸網が発達していない
  2. 電気やインターネットなどのインフラが十分に整備されていない
  3. 値引率が高く、最終的な営業成績としては全社赤字になっており継続的な健全な利益を生み出すビジネスとしては確率していない
  4. 国内産業保護のため外資規制(FDI)が在庫モデルのE-commerceには依然存在する
  5. 国内小売業者の大部分が、多数の長小規模業者から構成されており、E-commerceの在庫モデルのビジネスに対しては、競合するのではないかと不信感が大きい。

といった点があります、各社多額の資金援助や合併など動きが非常に激しい業界ですが、そろそろ利益を意味出せる形のモデルを確立しないと、存続が難しくなってくる可能性もあります。

インドに行くと、人生観が変わる、好き嫌いがはっきり分かれる、などと言われることが多いですが確かにそのとおりだと思います。都市の中央を牛が歩いている光景が普通に見られますし、ホテルから車で15-20分もすると”コミュニティ”と言われる、いわゆるスラム街のような場所も隣接しています。このような貧富がまさに隣接している様子は、日本人で生活している身としては想像を絶する光景でした。

India visitも終了し、あとは提出したグループの課題で合格点を取れれば、第3モジュールも全て終了です。次回のOxford EMBAはまた、通常どおりオックスフォードで実施されます。

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