今回は「生成型AIにより海外EMBA・MBA留学カウンセラーは必要なくなるのか?」というテーマをピックアップしました。理由としては、最近ChatGPT Proを利用してみて私自身、性能の高さに衝撃と危機感を覚えたためです。
なお、昨年CV添削サービスが生成型AIに代替されるかというテーマも取り上げているので、興味がある方はこちらもご覧ください。
CV添削サービスは生成型AIに代替されるのか?
では、ここからAIが海外EMBA・MBA留学カウンセラーにどのような影響を与えるのか、そして完全に代替されてしまうのかを詳しく解説します。
1. 生成型AIができること
まずは、AIが海外EMBA・MBA留学カウンセラーの業務のどこまでを担うことができるのかを見ていきます。テーマの性質上、一部過去の記事と重複する内容もでてきますがその点はご容赦下さい。
1-1. 留学情報の提供
生成型AIは膨大なデータを短時間で処理する事ができ、その点では現時点でも人間のサーチ力を遥かに凌駕すると言えます。具体的には以下のような情報を即座に提供できます。
- 複数の留学先のEMBA・MBAプログラム情報を比較してまとめる
- 入学条件、学費、奨学金の詳細
これらの情報はもちろん従来の検索エンジンでも探す事は容易に出来ますが、生成型AIを活用することで、個別の希望に応じた最適な選択肢を瞬時に提供することが可能です。
1-2. 書類作成支援
AIは、志望動機書(エッセイ)や履歴書(CV/Resume)の作成・添削を支援できます。
- 文法や表現の改善
- より魅力的な志望動機の提案
- フォーマットの最適化
特に、英語のエッセイでは文法ミスや不自然な表現をAIが即座に指摘し、よりプロフェッショナルな仕上がりにすることが可能です。この点は、以前のブログ記事と同様の点になります。
1-3. 面接対策
生成AIは模擬面接の相手としても活用することができ、以下のようなサポートが可能になると考えられます。
- よくある質問の提示
- 回答のフィードバック
- 表現や論理の改善提案
ただ、回答のフィードバックや表現・論理の改善提案に関しては、現時点では生成型AIにも限界もあるためその意見を正として対策するというよりは、こういう見方もあるのかという1つの意見として参考として扱うのが良いと思います。
これにより、受験者は本番の面接に向けて事前準備のクオリティを向上させることが出来ます。
2. 生成型AIでは代替できない部分
一方で、生成型AIがカバーしきれない領域もあります。特に、個別の事情に応じたサポートや感情面のケアは、まだ生成型AIには困難であり引き続きカウンセラーの強みとして残ると予想されます。具体的には以下の部分になります。
2-1. 個別のキャリア相談
生成型AIは一般的なキャリアパスの提案はできますが、個々の状況に応じたアドバイスには限界があります。例えば、以下のような事項が考えられます。
- 業界ごとのキャリア戦略
- 特定の企業や職種に合わせた最適な留学プラン
- 転職や起業を視野に入れた留学相談
このようなケースでは、カウンセラーの過去の経験や知識が必要になりアドバイスが不可欠です。
2-2. ネットワーキングの支援
海外留学の目的の一つに良質なネットワークの構築を求める方も数多くいらっしゃいます。具体的には下記のようなケースが考えれます。
- 過去の留学経験者とのマッチング
- 企業とのコネクション提供
私自身は上記2つともご紹介させて頂く事が多く、ビジネススクールのOBと繋いだりMBA採用を活発に行っている企業のHRの方と繋いだりといった実例があります。
これらは、AIでは再現が難しい「人間同士のつながり」によるサポートが求められます。
2-3. 精神的なサポート
海外留学は多くの不安やストレスを伴いますし、下記のような問題も生じやすくなります。
- モチベーションの維持
- 予期せぬ学業上のトラブル対応
Next Stage Oxfordでは受験プロセスだけでなく、実際にプログラム開始後のサポートも別サービスとして提供しているので、入学後も安心して勉強に専念する事ができます。
AIは機械的なアドバイスはできますが、感情面や実際の経験に基づいたアドバイスは人間にしかできない部分です。
3. まとめ:生成型AIとカウンセラーの共存
生成型AIの進化により、海外EMBA・MBA留学カウンセラーの役割は確かに大きく変化しています。しかし、上記で見てきたとおり完全になくなることはないと考えます。
生成型AIが得意とするのは、情報提供や文書作成のサポートといった業務の効率化です。一方で、個別の戦略立案、ネットワーキング、精神的な支援は、依然として人間であるカウンセラーの強みとなります。