日本の公認会計士が留学カウンセラーを実施しているケースはかなり珍しく、私の知る限りでは他には知りません。では、そんな公認会計士がなぜ留学カウンセラーを目指したのか、簡単に振り返って記載してみます。
留学カウンセラーのきっかけ
生徒への指導経験自体は、2005年の公認会計士試験の合格年にアルバイトで個別指導塾で受験生を教えていたのが初めてでした。この際に、生徒が理解できなかったことを理解して出来るようになり、生徒自身も自信がついていく過程に私自身も非常に充実感を感じていました。
このときは、教育業に対して非常に魅力を感じて本気で教育業を目指そうかとも思ったのですが、やはり第一優先順位は公認会計士だと思い、公認会計士試験を優先しました。
その後、2016年にOxford EMBAに合格したのですが、Oxford MBAを目指し始めてから最終的にOxford EMBAに合格するまで約5年を要しました。この受験時代に、情報が十分になく合格まで遠回りをしてしまった事もあり、同じような経験をする受験生が少しでも減れば良いなと思い、Next Stage Oxfordを設立してカウンセラーとしての道をスタートする事を決心しました。
サービス開始当初は、自分の合格時の経験をもとにしたカウンセリングサービスだけを提供していました。しかし、経験を重ねていくにつれて合格者のレジュメやエッセイのパターンが蓄積されてきたため自分の合格時のエッセイやCV + 過去の合格者のエッセイ&CVのパターンも踏まえたカウンセリングが実施出来るようになりました。お陰様で、ある程度安定した生徒数が集客できるようになり現在に至ります。
公認会計士×留学カウンセラーならでは
公認会計士 × 留学カウンセラーの他のカウンセラーとの違いについて考えてみると、まず一つは信頼性という点を挙げられると思います。留学カウンセラーは資格が必要な職種ではないため、誰でも名乗ることができます。そのためカウンセラーが信頼できるかという点が非常に重要になります。この点、公認会計士という資格があることで一定の信頼性は担保できると言えます。
二つ目は海外留学の際の出願者の属性が多い監査法人やコンサル、事業会社の経理や経営企画などの分野については公認会計士は非常に深い理解があるため、エッセイやCVのネタ出しの際に魅力的なエピソードを取り上げて出願書類を作成する事ができます。実際に過去の生徒のカウンセリングのケースでは、他のカウンセラーでは抽出できなかったエピソードをブレインストーミングを通じて抽出してCVとエッセイに盛り込み、結果的に志望のビジネススクールに合格された受講者のかたもいらっしゃいました。
ではどうやって他のカウンセラーでは抽出できなかったエピソードを抽出できたかと言うと、私の過去の経験をもとに受講生の監査法人勤務のかたに対しては、マネージャータイトルであれば挙げて頂いた事項以外にも〇〇という経験もされてますよね?という形で、より刺さるエピソードを抽出する事が来ました。このようなカウンセリングは、職種に対する表層的な理解のみではなかなか引き出すことは難しく、やはり該当業務の内容を深く理解しているからこそ可能になると思います。
三つ目は税制面からのアドバイスとロジカルシンキングになります。前者は公認会計士は税理士登録も出来るため、税務分野でのアドバイスが可能になります。海外留学には非常に多額な費用がかかるため、税務上の優遇措置を受けることで場合によっては負担額について数百万円単位で変わってくることがあります。このような税務アドバイスは税理士の資格がない方が行うのは法律違反になるため、ある意味独占業務と言えます。また、後者のロジカルシンキングについては、公認会計士の仕事の中では特にスタッフの職位の際は監査調書の作成という業務がメインになります。この監査調書の作成は、ロジカルシンキングの力が非常に求められロジカルにドキュメンテーションを行い上司のレヴューを受ける形になります。スタッフの立場ではこの監査調書こそが成果物になるため、論理的に破綻している監査調書を作成すると、膨大な数のレヴューメモが付される形になり自然とロジカルシンキングが磨かれることになります。
このロジカルシンキングはエッセイ指導の際に非常に役に立ちますし、留学カウンセラーとしては必須の能力だと個人的には考えています。特に英語のエッセイを作成する際には論理的に破綻していない文章、つまりロジカルな文章を作成する事が非常に重要になります。ロジカルシンキングが出来ない人にロジカルな文章か否かを判断する事は出来ないため、当然エッセイ指導もロジカルに行えないという事になります。
もしこのブログを読んで少しでもEMBA・MBAの海外留学に興味を持たれた方がいれば、ぜひお問い合わせフォームよりご連絡下さい。