EMBA課題図書その1 – Thinking, Fast and Slow

先日、EMBAの事前課題について記載しましたが、その中でEMBAの課題図書については別途、と記載していましたので、この記事で紹介します。

以下が、EMBA課題図書リストの抜粋です。著作権の関係があるので、内容自体をアップロードすることが出来ないので、リストのみ記載させて頂きます。

Module 1 Pre-Reading

・Thinking, Fast and Slow – Daniel Kahneman
・Gans, Murray, and Stern (2014), ‘Entrepreneurs need stategy’, Working Paper.
・Blank, S. (2013) ‘Why the Lean Start-Up Changes Everything’, Harvard Business Review, 91(5): 63-72
・Howard, P. J. & Howard J. M. (1995), ‘Buddy, Can You Paradigm?’ Training & Development, Vol.49(9), pp.28-34
・Toegel, G. & Barsoux, J-L. (2012), ‘How to Become a Better Leader’, MIT Sloan Management Review, Vol.53(3), pp.51-60
・Analytics pre-arrival preparation workbook.

このうち、一番上の課題図書のみが、書籍でありAmazonでも販売されているので、今でも入手可能です。

有名な書籍であり和訳も出ているようなので(恥ずかしながら、私はこの課題図書で初めて著者と著作について知りましたが、、)、少し見てみたいという方は、本屋で手に取って見てみるのも良いかもしれません。

内容については、行動経済学に関する、様々な実験やそこから得た結論など長年の研究結果が、惜しみなく記載されており、非常に読み応えのある内容になっています。いかに、人が簡単にバイアスにかかり易いか、というのが様々な実験から判明する形になっています。一つだけ研究について紹介すると、痛みについての観察で、短期間だが痛みの強い場合と、痛みの持続期間は前者より長いが、痛みは少し和らぐ場合、どちらが患者にとって悪印象に残るか、というものがありました。この観察結果について、Peak-end rule とDuration neglectという考え方を用いて、前者の方が、患者にとって悪印象として残ることが説明されています。私の予想と真反対の結果だったので、印象的な内容でした。

著者の言葉で、一番心に残ったのは、本書の最後にそのようなバイアスにかからないようにするにはどうしたら良いか、という問いに対して、カテゴリに区分して各バイアスの内容を知っているのが重要、という記述があり、なるほど、と。この説明として、医療の病気名を例として挙げており、病に名前を付けることによって、この病気はこういう症状、というのが区別でき対処が出来るのと同じように、バイアスも種類と名前を覚えておくことで、対処が出来る、ということでした。

非常にボリュームが多く、かつ最初は抽象的な概念の説明があり、なかなか取っつきづらい書籍ではあるのですが、第2部辺りから、具体的な実験の話などが増えてきて、少し理解しやすくなるかと思います。また、最後にAppendixとして付録がA, Bとして含まれているのですが、こちら原書では本文よりもさらに文字が細かく、大部分の方が読み飛ばしていると思いますが、各バイアスについて、非常に簡潔に書かれているので、ぜひ購入されたかたは、最後のApendixも読んでみることをお勧めします。

EMBA事前課題について

今日はEMBAの事前課題について。

MBAやEMBAは事前課題が多く、大変だということは色々な方から聞いていたのですが、実際どの程度大変か、を具体的に記載しているブログは少なかったので、EMBAの事前課題について内容を少し書いてみたいと思います。

私の通うEMBAの、初回授業までの事前課題としては、
1. 数学の問題集(難易度としてはGMAT+アルファ)
2. 事前に読むべき書籍及び記事
3. 学校の公開用プロフィールの作成
4. チーム分けに使用する性格診断テスト提出
の4つがありました。

1.については、基礎数学力の育成のためのテキスト、問題集及び解答から構成されています。内容としては基本的にはGMATと同じ程度ですが、EMBAの授業についていけるように、というのが目的のため、一部、共分散や分散、正味現在価値の算定なども含まれているので、その点はGMATの勉強のみではカバーはできていないと思います。GMATの勉強していれば半分くらいは理解できるので、最初から問題集の部分を解いて、分からないところや誤ったところだけ、テキスト部分を読む、という形にして、こちらに割く時間を最小限にするようにしました。この内容が全く分からないようであれば、ちょっと授業についていくのは厳しいかもしれません。公認会計試験で、経営学を選択されている方であれば、英単語さえ覚えれば、内容的には問題なく理解できると思います。この問題集の内容の詳細について興味がある方は、別途メールでお問合せ下さい。

2.については、本1冊(約450ページ)と記事4つ(一つ15ページ程度)が課題としてupされました。フルタイムで勉強に専念できる環境であれば、恐らくそこまでボリュームとしても多くないと思うのですが、働きながら、事前課題発表から授業までの約1か月の期間で、というのは私の場合は非常に大変でした。ちょうど仕事が繁忙期とも重なっていたこともあり、週末はほとんどこの事前課題と入学準備手続きに費やしていた気がします。正直、この期間は忙しすぎてあまり記憶がなく。。ただ、唯一幸運だったのは、一番ボリュームの大きかった書籍の課題が、会計士受験時代の経営学で勉強した、行動経済学についてのものであり、基礎知識については以前勉強したことがあったのと、この分野はかなり好きだったので、書籍についても取り組みやすかったのは良かったです。こちらについては、別記事で詳細に記載しようと思います。

3.は、実はEMBAやMBAは生徒のプロフィールをHPなどで公表していることが多いです。そのプロフィールについて、私の学校の場合は事前に提出を求められました。内容としては、ResumeやEssayですでに書いていることをまとめる、というだけなのですが、一般に公表される、となるとどの程度サマリーして書くか、や一般化して書くか、については結構悩みました。Essayのように細かく書きすぎると、規定スペースで収まりきらないのと、場合によっては守秘義務にかかってくる可能性も有りうるからです。自分の場合は、時間のある時に少しづつ進めていましたが、結局2週間くらいはかかりました。あまり基本的な文法ミスや単語ミスが、全世界向けのプロフィールに載ってしまうのはさすがに恥ずかしいので、知り合いの方に、最後に簡単な英文チェックはしてもらいました。

4つ目はいわゆる性格診断テストなのですが、日本のように簡易版をイメージしていたのですが、実はフルセットのものであり合計250問から構成されておりかなり本格的なものでした。説明書には最も早い人で45分くらいで終わるが、平均は1時間なので、最低1時間は回答時間として用意しておくこと、とありましたが、実際に回答してみると、軽く1時間半は経過してしまいました。単語の難易度が非常に高く、かつ前後の文脈から単語の意味が判断出来ないことが多く、止む無く調べながら進めていたのが主な原因です。ちなみに、この性格診断テスト、何に使用するかというと、ディスカッションやグループワークのためにチーム分けの必要があるのですが、そのチーム分けのために使用すると記載がありました。例えば、議論を主導することが得意なメンバーばかりが集まると、うまくグループワークがまとまらないので、調整役なども配置する、というような形で使うようです。なお、このテストに関する記事によれば、信頼性は80%以上ということなので、各チームともある程度バランスのとれたメンバー構成になるのではないか、と今から想像しています。

こう書いてみると、授業開始までにやることは色々とあるのですが、これ以外に様々な入学準備資料の提出が別途あり、そちらについては、別の記事で書こうと思います。

 

MBA志望校選び

今日はMBAの志望校選びについて。
MBAの志望校選びは、もちろん人によって様々だと思いますし、正解というのはないと思うのですが、私が志望校を探した際の、ポイントについて記載したいと思います。

ポイントとしては、
1. 国内MBAか海外MBAか
MBA志望校を決めるときに、一番最初に考えるべきポイントです。なぜなら、国内のMBAを目指すか、海外MBAを目指すかで、その後の出願準備作業のボリュームや内容が全く異なるからです。これは、どちらがいい、ということではなく、それぞれ目指される方の目的が何か、というところによると思います。
例えば、将来的にも英語を使う機会が少ない日系企業に今後も勤めたい、と考えているのであれば、無理に海外のMBAを目指す必要はないと思いますし、授業が日本語のところを選べば、非常に負担は軽くなると思います。また、国内のMBAは日本人の生徒がほとんどだと思いますので、国内でのネットワークを作る、という点でもメリットはあります。
一方、外資系へのキャリアチェンジを目指す場合や、将来海外での勤務ということを考えているのであれば、海外MBAの方がいいかもしれません。海外MBAの場合は、日本人は極端な少数派になるため、多様性や文化の違い、といったことも学ぶことができますし、MBAのプログラム自体も、海外発でありヨーロッパやアメリカの方が歴史、という点でもプログラムの知名度でも圧倒しています。残念ながら、海外のポジションに応募する際に、日本のMBAの学校名を履歴書に記載しても、知らない可能性が非常に高いです。

2. アメリカかヨーロッパか
アメリカとヨーロッパでも、かなり違いがあります。まずは、多様性の面でいうと、アメリカのビジネススクールは、ほとんどがアメリカ在住の生徒で占められているので、純粋に各国から来ている生徒はそこまで多くはないのですが、ヨーロッパのスクールは実際に各国から、数多くのかたが来ているので、ヨーロッパの方が優れていると言えます。ただ、1.でも述べたとおり、アメリカ出身のかたが多いというのは、アメリカで就職やネットワークづくりを考えている方にとっては、メリットに働きます。
また、プログラム期間についても違いがあります。ヨーロッパはLBSなどの一部を除き、基本的には1年のプログラムとなっていますが、アメリカのプログラムは一般的に2年となっており、この点についても大きな違いとなります。

3. ランキング
MBAの志望校を決める一つの要素として、ランキングも挙げられると思います。ランキングについては、別の記事で詳細を書いているので、ここでは割愛しますが、Financial times やThe economistのランキングなどをもとにされるかたが多いように思います。

4. Schoolとのfit感
これは、色々な合格者のかたが合格体験記でも書かれていますが、やはりMBA schoolとのFit感というのは重要です。大学受験の時にも、オープンキャンパスに行ってみたら、イメージと違っていていまいちだった、という経験はないでしょうか。MBAの場合はFull-timeであり、学校が生活の一部になっているので、実際に行ってみて、あっ違うかも。。。と思ってもなかなか取返しが厳しいと思います。このような事態を避けるためには、ホームページのみではなく、志望校が開催する学校説明会には必ず参加し、出来ればスクールビジットを強くお勧めします。もちろん、金銭的にも安くないので難しいのも良く理解できますが、MBA学費・生活費のファイナンスがある程度目処が付いているのであれば、この一回分はぜひ組み込んでほしいと思います。

上記で、ポイントを4つ挙げましたが、実際に私の場合を例にとってみると、MBAを初めて考えたのは今から5年前でした。このときは、イギリスでぜひ勉強したい、という思いと、ゆくゆくは海外で勤務したいという思いがあり、上位の志望校自体はその当時から決まっており、上から順にOxford, Cambridge, London business schoolでした。MBAのことを良くご存じのかたからすると、これ志望校順逆じゃないのか?という疑問もあるかと思いますし、実際、逆の順位のかたの方が多いと思います。ただ、実際にOxfordのビジネススクールに見学に行き、在校生や事務のかたと話したりしていくなかで、ぜひこの環境で勉強したい、と強く感じて第一志望は早々に決まりました。ただ、最終的には年齢や職歴も考えて、MBAからEMBAへと変更したので、その点については、また回を改めて記載したいと思います。

EMBA, MBAの合格率

恐らくEMBA, MBAを目指されてる方では、ランキングより合格率の方が気になる、という方も多いと思います。私も、志望校をある程度決めたあとに、次に気になったのは合格率でした。日本の大学受験や資格試験の勉強をしていた時の、悪い癖なのですが、出来るだけ合格率が低い方が、評価も高いし、合格した際に、自分にとっても自信になるのでは?という思いがありました。

ただ、このEMBAの合格率、私が調べたスクールの中で公表しているところはありませんでした。LBS, Oxford, HEC, Cambridgeとも同じ状況でした。MBAだと、公表している学校もかなりあるのですが、EMBAだとほとんど皆無です。ここからは想像になるのですが、恐らく合格率自体は、MBAと比べるとそこまで低くないのではないかと思います。ただ、これを公表してしまうと、私のように合格率で学校の良し悪しを考える受験生からは、敬遠されることになってしまうので、あえて非公表にしていると考えられます。とは言え、これが即入学が簡単だということを意味しているかというと、そんなことはなく、合格率がたとえ低くないとしても、そもそもEMBAの場合は、出願の段階で職歴・管理職経験に、さらに英語とGMATスコアを要求しているので、そもそも最初のハードルが相当高く設定されています。そのため、結果的に、出願者が減り合格率が上昇していると推測できます。

いくつかのスクールのAdmissionにも、実際にEMBAの合格率を聞いたのですが、学校として合格率は公表していない、との回答のみで結局合格率は教えてもらうことは出来ませんでした。ただ、間接的に推測することはでき、例えばOxfordの場合は、graduate全体で24,000名中、合格者5,200名とのことなので、
https://www.ox.ac.uk/about/facts-and-figures?wssl=1
それよりは合格率高いとは思います。この数値を高いと取るか、低いと取るか判断が難しいところですが、一点日本人にとっては朗報があります。それは、特に欧州系の学校に当てはまるのですが、ほぼ全ての学校でDiversity(多様性)を推しています。ただ、日本人でEMBAのプログラムを目指す方は、MBAに比べるとまだまだ少なく、クラスにおける日本人の比率が非常に少ないかゼロということも、多い状況です。そのため、diversityの観点から、日本人というnationalityで他の国の受験生より優位に立てると思います。

もし、EMBAを目指す、という決意をしたのであれば、合格率を気にするよりも出願条件を満たす、という方が重要なので、まずはそこに注力して下さい。逆に、出願条件を満たしてれば、その時点で相当合格率は高まると思います。

EMBA, MBAのランキングについて

EMBAもMBAと同じように第三者機関によって、ランキングされており公表されています。
EMBA, MBA目指されているかたは、ぜひ一度Economist 及び Financial Timesが発表しているランキングは見ておかれるといいと思います。私が、一番最初にランキング見た時に一番驚いたのが、日本のEMBA, MBAが上位に一校もランクインされていなかったという点です。University Rankingでは東大などが入ってきていますが、EMBAやMBAとなると、まだまだ世界レベルに達するには、壁があるのかもしれません。また、面白いのが、日本の場合には大学入試などを見ても分かるとおり、偏差値が一番重要な指標になっているのですが、EMBA, MBAランキングでは、偏差値はあまり重視されていません。

そんな中、EMBAはMBAにくらべ、特に日本では知名度が圧倒的に低い為、出来るだけランキングが高く、スクールとしての知名度も高いところから、まずは候補としてピックアップしました。ただ、ここで一点問題があり、EMBAの場合には、複数のビジネススクールが共同でプログラムを実施しているジョイント形式のプログラムと、単独のスクールで実施している単独プログラムがあり、ジョイントプログラムはその性質上、internationalの得点が非常に高くなるので、相対的に順位がくなります(上位5校のFT ranking見るとより明らか)。純粋にランキングだけをみると、圧倒的にジョイントプログラムなのですが、私の場合はイギリスのスクールに行きたかったのと、出来るだけ一つの学校でじっくり学びたい、という思いがあり、単独のプログラムを最終的には選びました。

EMBA, MBAランキングについては、それぞれの発表している雑誌によって、重視している項目が異なるので、その点は、注意しながら見て頂くといいかと思います。たとえば、卒業後の給与の上昇率に、最もウェイトを置くのか、あるいは生徒によるプログラムの評価、に最もウェイトを置くのか、で当然ランキングは異なります。しかしながら、一般的にFinancial TimesとEconomistは参考にされることが多いのはEMBA, MBAランキングであり、また各スクールのホームページにも必ずこのランキングについて記載があるので、最初に見ておくことをお勧めしています。

MBA大手予備校の長所・短所

今回はMBAの大手予備校の長所・短所について。

MBA大手予備校の長所としては、真っ先に挙げられるのが、利用者が多いので、志望校が同じ方も見つけやすく、ネットワーク作りに役に立つと思います。MBAの勉強は、どうしても孤独な状況になりがちであり、また、会社から公的に応援されるような環境の方は極めて少ないと思います。そのため、なかなか大変さを共有できる場面が少なく、場合によっては家族にもなかなか理解されない、というケースも良く聞きます。このような中で、MBA大手予備校で同じ目標に向かっているなか、励ましあえる環境というのは非常に貴重になりますし、大きな長所になります。また、別の長所としては大手予備校ですと、多くの受験生が通っているから、という安心感もあるかと思います。

一方、MBAの大手予備校の短所としては、性質止むを得ないのですが、どのカウンセラーや講師でも同じ受講料になります。そのため、予備校内でのサービスの満足度が高いカウンセラーや講師であればいいのですが、そのカウンセラーがすでに満席で、別のカウンセラーにしないといけず、、という場合には、予備校の受講料も高額にも関わらず、満足度も低いという状況になってしまいます。極端に言えば、業界のカリスマと呼ばれるカウンセラーと、日本人の留学経験もない、通常のキャリアカウンセリングの方が、同じ単価になっていたりします。実際に、私がMBA大手の某予備校を受講していた際にも、予約したいカウンセラーが半年前からすでに受付停止していたりと、苦労も多かったので、この短所については、何とかうまい対応が出来ないものか、と当時は強く思いました。また、もう一つのMBA大手予備校の短所としては、大手だと生徒数が多すぎるからか、各生徒の提出物の管理が全くできておらず、カウンセラーからの回答が、期限に遅れることも頻繁にあり、私のほうでカウンセラーの管理までしなければならず、逆に時間がかかってしまったということもありました。サービスである以上、よほどの突発事象ならいざ知らず、恒常的に遅れる、というのはさすがに基本的なサービスとして、成立していないと言わざるを得ませんし、短所としては決定的な点ではありました。

上記のような経験から、個々の生徒の状況まで気を配れる範囲内で、きめ細やかなサービスが提供できたら、受験生のかたも試験や出願準備に専念できて、上記の短所もカバーでき、お互いにwin-winになるのではないかと考え、当サービス開始に至りました。

いま大手予備校でカウンセリングを受けられて、出願スケジュール等に無理がないか、不安があるかたはぜひお問い合わせください。

London Business School Executive MBA programについて

前回、Oxford について説明したので、今回はLondon Business School(以下LBS)を。
LBSもHEC Parisと同じく、ジョイントプログラムもあり、こちらはグローバルランキングも高いのですが、今回は単独プログラムのEMBAについて説明をします。

LBSのEMBAの特徴としては、主に以下の3つがあります。

1.UKとドバイの2箇所で実施
2.MBAでも培われているハイレベルかつバランスの取れたプログラム内容
3.LondonというLocation

一つ目について、LBSは週末に授業が開かれる、UK moduleと数ヶ月に一度まとめて2週間、といった形のブロックweek型のmoduleの2つがあります。
パンフレットによれば、授業の内容については差はないようです。そのため、日本から通学することを考えると、物理的にUK moduleは無理だと思うので、ドバイモジュールになります。
私の場合は、どうしてもイギリスで学びたい、という想いがあったのでドバイでなくUK moduleに出願しました。

二つ目は、LBSはなぜか日本ではMBAを目指す人以外知られていないのが不思議なくらいなのですが、世界的にはMBAのビジネススクールとしては、間違いなくトップ層に入ります。純粋なプログラムのレベルや入学難易度(GMAT等)で考えると、MBAではOxfordよりLBSの方が上になるかもしれません。LBSは教授陣についても、非常に有名なかたが揃っていること、また、選択科目の範囲が広く、よほどマニアックな分野でなければ、大抵の科目は揃っています。MBAに比べると、EMBAのRankingはかなり低く評価されている気がするのですが、この辺りは、残念ながら正確な理由は分かりません。ただ、HECもそうですが、ジョイントプログラムのあるスクールは、単独プログラムがランキング低めに出る傾向はあります。

三つ目は、Locationが挙げられます。これはOxfordと比較すると分かるのですが、やはりLBSはLocationもロンドンという都市のど真ん中にあり、経済界とのつながりも非常に深いため、ゲストスピーカーに有名企業のCEO・CFOクラスも気軽に講演に来るようです。MBAなどでは、企業の説明会なども頻繁に行われているようですし、ビジネスとの繋がりという観点では、LBSは強いと思います。

Oxford Executive MBA Said Business School programについて

前回、HEC Paris EMBAについて記載したので、次はOxford Executive MBA programについて取り上げます。 Oxfordは2016年のUniversity rankingで第一位を取得し、日本人に一番知られている海外schoolの一つです。

OxfordのExecutive MBAのGrobal Rankingは高く、Economistの2016年ランキングでは第2位となっています。 Financial TimesでもRanking 9位とのことで、世界トップレベルのEMBA Programと言えるかと思います。また、 ここ数年で、非常にランキングを上げています。Brexitの影響により、今後のランキングは不透明ですが、学校としての知名度を勘案すると、大幅に下落することはないのでは?と考えます。

プログラムの特徴としては、
1. 海外moduleが必修としてあること
2. カレッジシステムの採用
4. 21ヶ月に渡り計16週間のプログラム

が挙げられます。

特に、一つ目の海外moduleが必修として組まれていることから、文化やビジネスの多様性を肌で感じる貴重な機会になります。 選択科目で海外moduleがあるEMBAのschoolは色々とありますが、必修でしかも2 moduleプログラムに含めているところは、そこまで多くないと思います。
2016年時点では、インドと中国のmoduleがそれぞれ必修として設けられています。
さらに、選択科目でも海外moduleがあるため、その科目を取れば更に海外での経験を積むことができます。2016年現在では、海外の選択科目として、アメリカやアフリカなどがあります。

二つ目としては、カレッジシステムがあります。これは、Oxfordがジョイントプログラムに参加していない(出来ない?)理由の一つかと思いますが、各生徒、必ずどこかのカレッジに所属することになります。これは、EMBAやMBAといった、縦割りのプログラム別ではなく、Oxfordの在学生という観点から、横串をさしたようなシステムであり、学部生、院生、MBA、EMBAなどの生徒が混ざることになります。これにより、同じプログラム以外の生徒とも知り合いになることができ、視野も広がりネットワークとしても貴重な経験になります。恐らく、Oxfordを選ばれる方は、ランキング以外だと、この点が志望理由として必ず挙がると思います。

三つ目としては、プログラム期間についてですが、イギリスの中でも21ヶ月のプログラムは長いほうに属しています。ペースとしては4-5週間に1度、1週間という形になり、残りの期間はweb learningでフォローという形になります。日本とイギリスの物理的な距離を考えると、日本から通学するのは若干厳しいとは思いますが、それを補って余りある学びは得られるのではと思います。

Oxfordは従来からSocial Entrepreneurの分野が非常に強く、MBAのProgramなどでは、その辺りも強く推していますし、組み込まれています。ただ、EMBAに限っていうと、プログラムの性質上、企業勤めの役員の方も多いためか、Social Entrepreneurをそれほど強くは打ち出していないようです。そのため、良くも悪くも、通常のプログラムについては、バランスの取れたオールラウンド型と言えるかもしれません。そういう意味では、汎用性は高いと思います。

EMBAとMBAの違い

今日は、EMBAとMBAの違いについて記述してみたいと思います。
まず、最初に誤解を解いておかないといけないのが、EMBAというと、取締役や社長といった会社トップの事を指して、一般の管理職には向かないのでは?という懸念を持たれる方が多いと思います。確かに、生徒のなかには、そのような方もいらっしゃいますが、基本的には経験年数の多いマネージャーやシニアマネージャークラスが、将来のマネジメントを目指して、というケースが多いです。

日本でも幾つかEMBAのプログラムを開講している学校もありますが、MBAに比べると極めて少ない為、両者の違いについてご存じない方も多いと思います。大きく分けると、違いとしては、以下の3点が挙げられます。

1. EMBAは基本的に勤務しながらの受講が前提
2. EMBAは管理職向けのプログラム
3. 2.の結果、生徒の平均年齢がMBAより高い

それぞれの点について、以下細かく説明します。
1.の違いについては、EMBAは管理職のかたがキャリアを中断せずに勉強を行えるように、という趣旨から、勤務しながらのパートタイムプログラムが前提です。そのため、キャリアの中断が必要ないという、メリットもあります。この点はMBAとは異なり、MBAは通常フルタイムのプログラムなので、勤務されている方は休職もしくは退職して通うことになります。パートタイムの形態は学校によって異り、2か月に一度、2週間程度まとめて、というタイプもあれば、毎週週末の金・土で実施するタイプなどがあるので、この点は、ホームページやパンフレットで良く確認する必要があります。

2.については、MBAが将来性を重視しているのに対し、EMBAは実務経験を重視します。通常、出願の際に職務経験及び管理職経験が必ず求められ、かつその経験年数も、MBAより長くなりますので、自然と管理職経験が豊富なかたが多くなります。よって、授業中のディスカッションなども、実際の経験に即した深い内容で行える、というメリットもあります。

3.2.とも関連していますが、管理職経験を求めていることから、同時に生徒の平均年齢もMBAよりは高くなっています。MBAがだいたい28-9歳が平均年齢に対し、EMBAが38-40歳にという点も、重要な相違点になると思います。

EMBAかMBAでどちらに出願するか悩まれているかたがいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談下さい。

IELTS Speaking攻略法

続いて、IELTS Speakingについて。

これは独学 及びIELTSの講座を設けている某スクールに通っている時には全く分からなかったのですが、イギリスのIHという語学学校に通った際に、ちょうど講師が現役のIELTSの試験官であり、試験官の観点からのIELTS授業を受けることができ、それまでIELTSのspeakingの学習において力を入れるべき箇所を誤っていたことが分かりました。

IELTSのSpeakingは、いまいち採点ポイントが分かりにくいのですが、まずは試験の採点ポイントを把握することからはじめるのがいいと思います。これは、IELTSのHPなどでも公開されていると思います。もちろん、このSpeakingのCriteriaが明確であれば、誰も語学学校には通う必要もなく、ということになるのですが、残念ながらそうはなりません。が、このCriteriaを頭に入れて勉強を進めるのと、漫然と勉強をするのでは、成果が全く異なるのは、明らかです。

また、意外とIELTS Speaking練習の際にはおざなりにされがちなのが、発音とイントネーションです(特に後者)。私も、勉強当時は、あまり力を入れていなかったのですが、この点は予想以上に点数に跳ね返ってきますので、発音・イントネーションにも気を使ってください。少なくとも、ここを直すだけで0.5-1.0はscoreがあがると思います。私の経験上も、最も低いIELTS Speaking スコアが5.0だったのですが、最終的には7.0に達することができましたが、スコアアップの要因の一つは、発音・イントネーションと、模擬面接官の講師にも言われました。

こちら、厳密には、NativeにSpeakingの発音やイントネーションを修正してもらうが一番いいのですが、自分でも実施できる簡単な方法としては、Speakingの模擬テストをボイスレコーダーを使用して、自分の回答を録音しておき、あとでチェックする方法があります。LとRの発音などは、自分でチェックするのは難しいですが、イントネーションは確認できると思います。それでも難しいようであれば、リスニングの問題文を音読して、録音、聞き比べを行うのも効果的かと思います。

もし、具体的にIELTS Speakingの勉強方法について相談してみたいということでしたら、初回30分は無料ですので、問い合わせフォームよりご連絡下さい。