Module 13はDigital & Social Media Strategyで所謂デジタルマーケティングになります。教授はFelipe Thomazであり、メインテキストはStephen, A. & Bart, Y. (2016) Social Media Marketing: Principles and Strategiesでした。このテキスト、デジタル版のみで製本版の出版がないのですが、デジタルマーケティングについて非常に分かりやすく記載されており、この分野についてコンセプト等を簡単に知りたい、という方にはお勧めです。一方、実務上、具体的にどのような方策を取ればよいか、というところまでは踏み込み切れてない部分があるので、マーケティング部門で勤務されているかたにとっては、もしかすると既知の部分が多く物足りないかも知れません。
授業については、上記のテキストも踏まえつつ以下の構成でした。
Session 1 Introduction, Fundamental Principles of Digital and Social Media
Session 2 Connected Customers, Social Interactions, and User-Generated Content
Session 3 Seeding, Viral Campaigns, and Influencer Marketing, Digital Customer Insights and Social Listening
Session4 Advertising and Storytelling, Content Marketing and Customer Experiences
Session5 Managing Customers in Digital and Social Channels, Digital Marketing Leadership
Session6 The Dark Web and Illicit e-commerce, Disruptive Digital Technologies
Session7 The Future of Digital and Social Media Marketing, Conclusion
印象的に残っているのは、インフルエンサーについての回でした。インフルエンサーについて簡単に説明すると、その業界で影響力のある有名人などにサンプル商品等を使用してもらい、その感想をSNSなどで書いてもらう、というマーケティング手法になります。この手法自体はすでにかなりメジャーであり、マーケティングについて少しでも触れたことがあれば、聞いたことはあると思いますし、私も知っていました。
授業では、この点少し踏み込んで説明しており、インフルエンサーについてフォロワー数とアクティビティ(ツイート数など)の2軸でインフルエンサーを4つのパターンに分けて、整理しているところが新鮮でした。私の中では、インフルエンサーの価値は影響力であり、その影響力はフォロワー数に表れる(つまり比例関係)、と思い込んでいました。しかし、実際の研究結果ではむしろ、フォロワー数が多くなるほど、アクティビティが少なくなる、という傾向がある、とのことでその関連性については思いつきませんでした。
結果、上記で示した4つのパターンに沿ってポートフォリオを組むのが最も効率的であり、費用も抑えられるということでした。例えば、日本でいえば、インフルエンサーの数で言えばモデルの水原希子などが、まさに当てはまると思います。ポートフォリオの観点からは、左記のような大物インフルエンサーのみでなく、マイクロインフルエンサー(インフルエンサーよりさらに狭い分野で影響力を持つている人)として読者モデルの活用などが、今後益々進んでいくと思われます。