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Oxford Executive MBA 授業- module 1 – その1
今日はOxfordのExecutive MBAの授業内容について少し触れたいと思います。
1st moduleはオリエンテーション的な位置づけてもあることから、いわゆる導入部分的な意味合いの授業も多く、プログラム始まる前は意外といけるかも?と、なぜか若干楽観的だったのですが、1日目に早々にその甘い期待は打砕かれることになりました。。 (さらに…)
EMBA入学準備手続き
EMBAの事前課題とともに、時間を要したものとして入学準備手続きがあったので、もし参考になれば、と思い今回はEMBAの入学準備手続きについて。
具体的には、以下の書類を提出&準備しました。
1. Financial Declaration form
2. Employer form
3. College Preference
4. University Card form
5. Student profile用の写真
6. Visa用のSupport letter
7. Medical check sheet
8. Depositの支払い
Financial Declaration formは、授業料などの支払いに十分な資力があることについての宣誓書兼、Offer Letterの受け入れを証するものになります。この宣誓書については、Evidenceの添付も求められており、残高証明書も併せて提出しました。親族からの資金援助の際にも、サイン入りのサポートレター+その親族のBank Statementまで要求されており、かなり厳しい要件になっていました。私の場合、Declaration form提出の際には、自己資金のみではフルでカバー出来ていなかったので、実はこれが一番苦労して、かつ時間がかかった箇所でした。結局Dueも延ばしてもらい、最終的には合格取消の1週間前までと、綱渡りの状況で受験及び合格プロセスの中で一番反省しているところです。
Employer formはEMBAならではの書類かと思います。EMBAは勤務しながら通学するのが前提なので、勤務先の理解が必ず必要になります。仕事の都合で通学が難しくなるのを防ぐため、合格者が通学することについて会社として認めること、また最大限のサポートをすることについて、会社の代表者のサイン、及びメンターの設定を求めたものです。こちらも、日本の会社ではなかなかサインしてくれることろは少ないかもしれません。
College Preferenceについては、私の通っている学校はcollege制を敷いているので、希望を記載するものになります。もちろん、学校から各カレッジの内容が簡潔に記載されたガイドブックも送られてきたのですが、college数が非常に多いのと、違いや特色が今一つ日本から分かり辛く、Admissionのかたや、在校生のかたに色々と話を聞いたうえで、最終的に決めました。全てのカレッジが選択可能な訳ではないので、運の要素もかなりありますので、そこまで神経質にならなくても良いかとは思います。
Visaについては、少し長くなるので別記事で詳細を記載しますが、Visa申請の際に学校のサポートレターが必要になるのですが、これは学校も慣れているので、Request出せばすぐに原本を送付してくれます。
Medical Checkについては、今までの病歴や予防接種を全て記載するのですが、予防接種にかかる単語が全く分からずに、辞書と格闘しながら記載をしていました。本当に正しい内容で送れているか、少し自信がないのですが、今のところ、エラーで引っかかったという連絡はないので、とりあえずは手続きは進んでいると思います。
提出&準備したしたものは、上記のみなのですが、それぞれ、ものすごいボリュームの規定集やガイドブックがあり、それを読むのも非常に時間がかかりました。入学準備についても、それなえりの時間を割かれることになるのは、頭の片隅に入れて置いたが良いと思います。
EMBA課題図書その1 – Thinking, Fast and Slow
先日、EMBAの事前課題について記載しましたが、その中でEMBAの課題図書については別途、と記載していましたので、この記事で紹介します。
以下が、EMBA課題図書リストの抜粋です。著作権の関係があるので、内容自体をアップロードすることが出来ないので、リストのみ記載させて頂きます。
Module 1 Pre-Reading
・Thinking, Fast and Slow – Daniel Kahneman
・Gans, Murray, and Stern (2014), ‘Entrepreneurs need stategy’, Working Paper.
・Blank, S. (2013) ‘Why the Lean Start-Up Changes Everything’, Harvard Business Review, 91(5): 63-72
・Howard, P. J. & Howard J. M. (1995), ‘Buddy, Can You Paradigm?’ Training & Development, Vol.49(9), pp.28-34
・Toegel, G. & Barsoux, J-L. (2012), ‘How to Become a Better Leader’, MIT Sloan Management Review, Vol.53(3), pp.51-60
・Analytics pre-arrival preparation workbook.
このうち、一番上の課題図書のみが、書籍でありAmazonでも販売されているので、今でも入手可能です。
有名な書籍であり和訳も出ているようなので(恥ずかしながら、私はこの課題図書で初めて著者と著作について知りましたが、、)、少し見てみたいという方は、本屋で手に取って見てみるのも良いかもしれません。
内容については、行動経済学に関する、様々な実験やそこから得た結論など長年の研究結果が、惜しみなく記載されており、非常に読み応えのある内容になっています。いかに、人が簡単にバイアスにかかり易いか、というのが様々な実験から判明する形になっています。一つだけ研究について紹介すると、痛みについての観察で、短期間だが痛みの強い場合と、痛みの持続期間は前者より長いが、痛みは少し和らぐ場合、どちらが患者にとって悪印象に残るか、というものがありました。この観察結果について、Peak-end rule とDuration neglectという考え方を用いて、前者の方が、患者にとって悪印象として残ることが説明されています。私の予想と真反対の結果だったので、印象的な内容でした。
著者の言葉で、一番心に残ったのは、本書の最後にそのようなバイアスにかからないようにするにはどうしたら良いか、という問いに対して、カテゴリに区分して各バイアスの内容を知っているのが重要、という記述があり、なるほど、と。この説明として、医療の病気名を例として挙げており、病に名前を付けることによって、この病気はこういう症状、というのが区別でき対処が出来るのと同じように、バイアスも種類と名前を覚えておくことで、対処が出来る、ということでした。
非常にボリュームが多く、かつ最初は抽象的な概念の説明があり、なかなか取っつきづらい書籍ではあるのですが、第2部辺りから、具体的な実験の話などが増えてきて、少し理解しやすくなるかと思います。また、最後にAppendixとして付録がA, Bとして含まれているのですが、こちら原書では本文よりもさらに文字が細かく、大部分の方が読み飛ばしていると思いますが、各バイアスについて、非常に簡潔に書かれているので、ぜひ購入されたかたは、最後のApendixも読んでみることをお勧めします。
EMBA事前課題について
今日はEMBAの事前課題について。
MBAやEMBAは事前課題が多く、大変だということは色々な方から聞いていたのですが、実際どの程度大変か、を具体的に記載しているブログは少なかったので、EMBAの事前課題について内容を少し書いてみたいと思います。
私の通うEMBAの、初回授業までの事前課題としては、
1. 数学の問題集(難易度としてはGMAT+アルファ)
2. 事前に読むべき書籍及び記事
3. 学校の公開用プロフィールの作成
4. チーム分けに使用する性格診断テスト提出
の4つがありました。
1.については、基礎数学力の育成のためのテキスト、問題集及び解答から構成されています。内容としては基本的にはGMATと同じ程度ですが、EMBAの授業についていけるように、というのが目的のため、一部、共分散や分散、正味現在価値の算定なども含まれているので、その点はGMATの勉強のみではカバーはできていないと思います。GMATの勉強していれば半分くらいは理解できるので、最初から問題集の部分を解いて、分からないところや誤ったところだけ、テキスト部分を読む、という形にして、こちらに割く時間を最小限にするようにしました。この内容が全く分からないようであれば、ちょっと授業についていくのは厳しいかもしれません。公認会計試験で、経営学を選択されている方であれば、英単語さえ覚えれば、内容的には問題なく理解できると思います。この問題集の内容の詳細について興味がある方は、別途メールでお問合せ下さい。
2.については、本1冊(約450ページ)と記事4つ(一つ15ページ程度)が課題としてupされました。フルタイムで勉強に専念できる環境であれば、恐らくそこまでボリュームとしても多くないと思うのですが、働きながら、事前課題発表から授業までの約1か月の期間で、というのは私の場合は非常に大変でした。ちょうど仕事が繁忙期とも重なっていたこともあり、週末はほとんどこの事前課題と入学準備手続きに費やしていた気がします。正直、この期間は忙しすぎてあまり記憶がなく。。ただ、唯一幸運だったのは、一番ボリュームの大きかった書籍の課題が、会計士受験時代の経営学で勉強した、行動経済学についてのものであり、基礎知識については以前勉強したことがあったのと、この分野はかなり好きだったので、書籍についても取り組みやすかったのは良かったです。こちらについては、別記事で詳細に記載しようと思います。
3.は、実はEMBAやMBAは生徒のプロフィールをHPなどで公表していることが多いです。そのプロフィールについて、私の学校の場合は事前に提出を求められました。内容としては、ResumeやEssayですでに書いていることをまとめる、というだけなのですが、一般に公表される、となるとどの程度サマリーして書くか、や一般化して書くか、については結構悩みました。Essayのように細かく書きすぎると、規定スペースで収まりきらないのと、場合によっては守秘義務にかかってくる可能性も有りうるからです。自分の場合は、時間のある時に少しづつ進めていましたが、結局2週間くらいはかかりました。あまり基本的な文法ミスや単語ミスが、全世界向けのプロフィールに載ってしまうのはさすがに恥ずかしいので、知り合いの方に、最後に簡単な英文チェックはしてもらいました。
4つ目はいわゆる性格診断テストなのですが、日本のように簡易版をイメージしていたのですが、実はフルセットのものであり合計250問から構成されておりかなり本格的なものでした。説明書には最も早い人で45分くらいで終わるが、平均は1時間なので、最低1時間は回答時間として用意しておくこと、とありましたが、実際に回答してみると、軽く1時間半は経過してしまいました。単語の難易度が非常に高く、かつ前後の文脈から単語の意味が判断出来ないことが多く、止む無く調べながら進めていたのが主な原因です。ちなみに、この性格診断テスト、何に使用するかというと、ディスカッションやグループワークのためにチーム分けの必要があるのですが、そのチーム分けのために使用すると記載がありました。例えば、議論を主導することが得意なメンバーばかりが集まると、うまくグループワークがまとまらないので、調整役なども配置する、というような形で使うようです。なお、このテストに関する記事によれば、信頼性は80%以上ということなので、各チームともある程度バランスのとれたメンバー構成になるのではないか、と今から想像しています。
こう書いてみると、授業開始までにやることは色々とあるのですが、これ以外に様々な入学準備資料の提出が別途あり、そちらについては、別の記事で書こうと思います。
MBA志望校選び
今日はMBAの志望校選びについて。
MBAの志望校選びは、もちろん人によって様々だと思いますし、正解というのはないと思うのですが、私が志望校を探した際の、ポイントについて記載したいと思います。
ポイントとしては、
1. 国内MBAか海外MBAか
MBA志望校を決めるときに、一番最初に考えるべきポイントです。なぜなら、国内のMBAを目指すか、海外MBAを目指すかで、その後の出願準備作業のボリュームや内容が全く異なるからです。これは、どちらがいい、ということではなく、それぞれ目指される方の目的が何か、というところによると思います。
例えば、将来的にも英語を使う機会が少ない日系企業に今後も勤めたい、と考えているのであれば、無理に海外のMBAを目指す必要はないと思いますし、授業が日本語のところを選べば、非常に負担は軽くなると思います。また、国内のMBAは日本人の生徒がほとんどだと思いますので、国内でのネットワークを作る、という点でもメリットはあります。
一方、外資系へのキャリアチェンジを目指す場合や、将来海外での勤務ということを考えているのであれば、海外MBAの方がいいかもしれません。海外MBAの場合は、日本人は極端な少数派になるため、多様性や文化の違い、といったことも学ぶことができますし、MBAのプログラム自体も、海外発でありヨーロッパやアメリカの方が歴史、という点でもプログラムの知名度でも圧倒しています。残念ながら、海外のポジションに応募する際に、日本のMBAの学校名を履歴書に記載しても、知らない可能性が非常に高いです。
2. アメリカかヨーロッパか
アメリカとヨーロッパでも、かなり違いがあります。まずは、多様性の面でいうと、アメリカのビジネススクールは、ほとんどがアメリカ在住の生徒で占められているので、純粋に各国から来ている生徒はそこまで多くはないのですが、ヨーロッパのスクールは実際に各国から、数多くのかたが来ているので、ヨーロッパの方が優れていると言えます。ただ、1.でも述べたとおり、アメリカ出身のかたが多いというのは、アメリカで就職やネットワークづくりを考えている方にとっては、メリットに働きます。
また、プログラム期間についても違いがあります。ヨーロッパはLBSなどの一部を除き、基本的には1年のプログラムとなっていますが、アメリカのプログラムは一般的に2年となっており、この点についても大きな違いとなります。
3. ランキング
MBAの志望校を決める一つの要素として、ランキングも挙げられると思います。ランキングについては、別の記事で詳細を書いているので、ここでは割愛しますが、Financial times やThe economistのランキングなどをもとにされるかたが多いように思います。
4. Schoolとのfit感
これは、色々な合格者のかたが合格体験記でも書かれていますが、やはりMBA schoolとのFit感というのは重要です。大学受験の時にも、オープンキャンパスに行ってみたら、イメージと違っていていまいちだった、という経験はないでしょうか。MBAの場合はFull-timeであり、学校が生活の一部になっているので、実際に行ってみて、あっ違うかも。。。と思ってもなかなか取返しが厳しいと思います。このような事態を避けるためには、ホームページのみではなく、志望校が開催する学校説明会には必ず参加し、出来ればスクールビジットを強くお勧めします。もちろん、金銭的にも安くないので難しいのも良く理解できますが、MBA学費・生活費のファイナンスがある程度目処が付いているのであれば、この一回分はぜひ組み込んでほしいと思います。
上記で、ポイントを4つ挙げましたが、実際に私の場合を例にとってみると、MBAを初めて考えたのは今から5年前でした。このときは、イギリスでぜひ勉強したい、という思いと、ゆくゆくは海外で勤務したいという思いがあり、上位の志望校自体はその当時から決まっており、上から順にOxford, Cambridge, London business schoolでした。MBAのことを良くご存じのかたからすると、これ志望校順逆じゃないのか?という疑問もあるかと思いますし、実際、逆の順位のかたの方が多いと思います。ただ、実際にOxfordのビジネススクールに見学に行き、在校生や事務のかたと話したりしていくなかで、ぜひこの環境で勉強したい、と強く感じて第一志望は早々に決まりました。ただ、最終的には年齢や職歴も考えて、MBAからEMBAへと変更したので、その点については、また回を改めて記載したいと思います。