MBAフェアで感じたこと — AI時代に「生の声」の価値が上がっている

本日の Access MBA Tokyo(2026年9月5日、The Tokyo EDITION 虎ノ門)にご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。セッションにお越しくださった方、Resume Reviewにお立ち寄りくださった方、そして会場でお声がけくださった方に、まず御礼を申し上げます。

一日を通して感じたことがあるので、記録として残しておきます。出願を検討されている方には、ご自身の準備を考えるうえで参考になる部分があるかもしれません。


候補者のレベルは、明らかに上がっている

まず率直な実感として、来場者の準備レベルは以前より上がっていました。

理由ははっきりしています。AIです。

学校選びの情報収集も、CVのドラフト作成も、エッセイの構成案も、今は生成AIである程度のところまで進められます。実際、お話しした方の中には、すでに志望校の比較を整理し終えている方や、CVの初稿を用意されている方が少なくありませんでした。数年前であれば、この段階に到達するまでにかなりの時間がかかっていたはずです。

これは良いことです。準備の初速が上がり、限られた時間を本質的な検討に使えるようになりました。


だからこそ、AIで調べられないことの価値が上がった

一方で、当日いちばん強く感じたのはこちらです。

AIで調べられる情報の価値が下がった分、AIでは調べられない情報の価値が上がっている。

これは、セッション中の会場の反応にはっきり表れていました。私が20分の中でお話しした内容のうち、特に反応が良かったのは次の3つでした。

1. 費用対効果の話

「MBAは、投資として元が取れるのか」という問いです。

私は公認会計士として、ここは正直にお話ししました。給料の上昇だけでは回収できない。短期では回収できない。今の為替レートでは、なおさら難しい。

この話をしているとき、会場の空気が変わったのを感じました。おそらく、多くの方が知りたかったのに、正面から答えてもらえたことのない問いだったのだと思います。

パンフレットには平均年収の上昇率が載っています。AIに聞けば統計も出てきます。しかし「自費で通った日本人の会計士が、ROIについてどう思っているか」は、どこにも書かれていません。

2. カレッジと学校生活の話

Oxfordのカレッジ制度、Pembrokeでの日々、Formal Hallのディナー。

こういった話も、想像以上に関心を持っていただきました。カレッジ制度そのものは調べれば出てきますが、実際にビジネススクール以外の多様な学部生等と交わる   という体験は、検索では出てきません。

学校選びの最終段階で効いてくるのは、意外とこういう情報です。数字ではなく、そこで過ごす自分が想像できるかどうか。

3. 仕事との両立の話

働きながら学ぶことの現実です。

私はEMBAで、フルタイムで仕事を続けながらOxfordに通いました。一番きつかったのは勉強そのものではなく、仕事と学業と家族の間で時間を取り合うことでした。深夜と週末が課題に消えていく時期は、確かにありました。

ここを綺麗事にせず話すと、聞いている方の表情が変わります。多くの方が本当に不安なのは、合格できるかどうかよりも、受かった後に自分の生活が回るのかどうかなのだと思います。


準備が進んだ人ほど、聞くべきことが変わる

まとめると、こういうことだと思います。

AIによって、情報収集のフェーズは短縮されました。 その分、次のフェーズ——「自分にとってこれは意味があるのか」を判断するフェーズ——に早く到達できるようになった。

そしてこの判断に必要なのは、統計やランキングではなく、実際にその道を通った人の具体的な話です。うまくいったことも、しんどかったことも含めて。

もしこれからMBAフェアや学校説明会に参加される方がいれば、ぜひ試してみてください。調べれば分かることは事前にAIで調べ切って、会場では「調べても出てこないこと」だけを聞く。 同じ持ち時間でも、得られるものが変わります。

具体的には、たとえばこんな質問です。

  • 「実際に通われた方は、一番何に苦労しましたか」
  • 「入学前の想像と、一番違ったことは何でしたか」
  • 「私のような経歴だと、入学後にどこでつまずきそうですか」

次回に向けて

当日は、事前予約なしの飛び込みでResume Reviewをお受けする形にしていたため、お待たせしてしまった方、十分な時間を取れなかった方がいらっしゃいました。この点は主催者側にも改善提案をお伝えしており、次回は事前予約制での実施を検討しています。

またお会いできる機会を楽しみにしています。


出願準備についてのご相談は随時お受けしています。当日お会いできなかった方も、お気軽にどうぞ。

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