QS Discover MBA Fair Tokyo 2026 Autumn セミナー「30代・40代の海外MBA/EMBAという選択」の表紙スライド

「学校選び」を聞かれ、「資金調達」を相談された夜 ― QS MBAフェア2026秋の振り返り

10月27日(火)、ハイアット リージェンシー 東京で開催された QS Discover MBA・大学院留学フェアにご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。平日の夜、仕事帰りにセミナーへ足を運んでくださった方、Next Stage OxfordのテーブルでCV添削をお受けいただいた方に、改めて御礼を申し上げます(当日の御礼はNewsにも掲載しています)。

今回は、セミナー後に回答いただいたアンケートと、CV添削の場で交わした会話の両方をもとに発見があったので、今回の記事として取り上げました。

今回のテーマと、会場の顔ぶれ

セミナーのテーマは「30代・40代の海外MBA/EMBAという選択」。平日夜の開催ということもあり、仕事を終えてから駆けつけた社会人の方が多く見えました。

アンケートにご回答いただいた方の年代は、40代が50%、30代と20代がそれぞれ25%。検討状況は「情報収集を始めたところ」が約60%で、「すでに出願済み・在学中」の方も25%いらっしゃいました。テーマのとおり、キャリアの中盤で次の一手を考えている方が中心だったと思います。年齢についての考え方は40代からのMBAは遅いのか?にも書いています。

QS Discover Master's & MBA Tokyo 2026年10月27日のフロアマップ
当日のフロアマップ。MBAと大学院をあわせて50を超えるブースが並び、Next Stage Oxfordは会場入口前のAブースでした

アンケートでは「学校選び」が最多だった

「海外MBA/EMBAの出願決断について、最も気にしているポイント」を伺ったところ、結果は次のとおりでした。

最も気にしているポイント 割合
学校選び 約40%
留学先(国)選び 25%
留学のタイミング(留学すべきか) 約10%
英語力・試験対策 約10%
費用 約10%
セミナー後にご回答いただいたアンケートより(割合は丸めて表示しています)

学校選びと国選びを合わせると、約60%。「どこに行くか」が最大の関心事に見えます。費用を選んだ方は、約10%にとどまりました。

ところが、1対1で聞かれたのは「お金」のことだった

一方、CV添削のテーブルでは様子がまったく違いました。CVについてひととおりお話ししたあと、何名もの方から、学費や生活費をどう工面するかという資金調達のご質問をいただいたのです。セミナー後の質疑でも、費用面についての質問がありました。

アンケートでは約10%。それなのに、対面では何人もの方が資金のことを尋ねてくる。このズレをどう読むか。

私の考えてとしては以下のとおりです。

「学校選び」の悩みの正体は、多くの場合「資金」の悩みなのだと思います。

仕事を離れてフルタイムで学ぶのか、働きながらEMBAに通うのか。米国の2年制か、英国やアジアの1年制か。どの学校が「現実的な選択肢」になるかは、資金をどう組み立てるかでほぼ決まってしまいます。資金の目処が立たないうちは、学校をいくら比べても結論が出ない。だから悩みとしては「学校選び」の形で表に出てきます。

選択式のアンケートで「学校選び」に丸をつけるのは自然なことです。ただ、その奥で引っかかっているのはお金のことではないか。1対1で話すと、それが自然と表に出てくるのだと思います。

学校選びから入らない

セミナーで最もお伝えしたかったのは、まさにこの点でした。出願の前に決めておきたいのは、学校ではなく次の3つです。

セミナースライド「出願の前に、決めておきたい3つのこと」
「出願の前に、決めておきたい3つのこと」
  1. 目的を、一文で。「なぜ行くのか」を、家族や上司に一文で言えるか。言えなければ、まだ学校を選ぶ段階には早い可能性が高い
  2. 資金の組み立て。自己資金・企業派遣・ローン・奨学金の、どの組み合わせか。為替をどう見るか
  3. 誰の合意が要るか。家族と、雇用主。

アンケートの自由記述には、こんな感想をいただきました。

MBA留学を考えるとき、学校選びから入るのは得策ではないという話が意外で驚いた

「意外」と感じていただけたのは、多くの方が自然と学校選びから始めているからだと思います。それ自体はもちろん悪いことではありません。ただ、目的と資金と合意の見通しがないまま学校を比べ始めると、比較の軸が定まらず、時間だけが過ぎていきます。

資金から逆算すると、地域が絞れる

資金が先だと言っても、学校選びが不要になるわけではありません。順番の問題です。セミナーでは、地域ごとの違いを整理したスライドもお見せしました。

セミナースライド「地域によって、何が変わるか」米国・英国・ヨーロッパ・アジアの比較
地域によって、期間・費用・ネットワークの性質が変わる

米国は2年制が主流で、費用も最も高い水準です。英国は1年制のMBAが主流で、期間が短いぶん機会費用を抑えやすい。アジアは費用を相対的に抑えやすく、日本との往来も容易です。

資金の組み立てが決まれば、「この地域は現実的、この地域は厳しい」という線引きが先にできます。そのうえで残った候補を比べるほうが、ずっと速く、納得感のある結論にたどり着けます。

「元が取れるか」だけでは測れないもの

資金の話になると、必ずセットで出てくるのがROI、つまり「投資として元が取れるのか」という問いです。今回も、この点を考えている方が多くいらっしゃいました。

この問いへの私の考えは、海外MBA/EMBAの費用対効果をどう見るかや、9月のAccess MBA後の振り返りで書いたとおりです。給与の上昇だけで短期に回収するのは、今の為替水準では簡単ではありません。

そのうえで今回、自由記述にこんな一文をいただきました。

金銭的以外にも有益な経験でしたというところ印象的でした。

セミナーでは、Oxfordでの学びを、カレッジでの経験と合わせてお話ししました。事前にPembroke Collegeをご存じだった方は約10%でしたが、Oxfordでの学びや学生生活についての理解が「深まった」と答えてくださった方は75%。ROIの計算式には入らない価値を、具体的な体験として少しでもお伝えできたのであれば嬉しく思います。

事前予約制にしてみて

9月のAccess MBAでは飛び込み形式でResume Reviewを行ったため、お待たせしてしまった方がいらっしゃいました。その振り返りで「次回は事前予約制を検討する」とお伝えしていましたが、今回はそのとおり事前予約制で実施しました。

お一人ずつ時間を確保できたことで、すでに準備を進めている方とは、表現や見せ方といった一段踏み込んだところまでお話しできました。CVの準備がそこまで進んでいるからこそ、話題がその先の資金計画にまで及んだのだと思います。


志望校リストの前で手が止まっている方へ

もし今、志望校のリストを眺めたまま先に進めずにいるなら、一度学校のことを脇に置いて、3つの問いに答えてみてください。

  1. なぜ行くのかを一文で言えるか。
  2. 資金をどう組み立てるか。
  3. 誰の合意が要るか。

この3つに答えが出れば、学校選びは思っているより早く進みます。

出願時期から逆算した準備の進め方は、【2027年入学版】Oxford・Cambridge EMBA/MBA 出願スケジュール逆算ガイドにまとめています。

資金計画を含め、出願準備についてのご相談は随時お受けしています。当日の続きを相談したい方も、会場でお会いできなかった方も、お気軽にどうぞ。

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